自動操舵は湾に入る前に手動に切り替えられます。
スロットルレバーは可変ピッチプロペラを操作するもので、エンジンの回転数はエンジン制御室で行われます。
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おがさわら丸のひみつへ


竹芝に着岸しても、航海士、甲板員、乗組員の仕事は終わりではありません。竹芝で郵便物、チッキを下ろし、すぐに芝浦埠頭へ回航です。そこでは貨物の扱い、飲料水の補給、船体の維持点検、事務仕事があります。

芝浦ではおがさわら丸に小型のタンカーが接舷し、機関部が燃料を補給します。
船内では清掃業者がマイクロバスで乗りつけ、事務部の指示に従い船室のクリンアップがなされます。

どの部署も夜遅くまで仕事が続きます。それもこれも明日のよりよい航海に備えて・・・・

このページはほんのわずかですが、操舵室の働きが少しでもご理解戴ければ幸いです。

最後に、船長、航海士、甲板部のご理解、ご協力感謝いたします。

船長が着岸する位置を確認しています。岸壁に立てられた旗の真上にブリッジが来る様、ここから前後の甲板員に”あと1m前に”等と指示を出していきます。

指示を受けた甲板員は、ロープの巻き加減を調節して、指定の位置にぴったりとあわせていきます

船長が着岸を確認しタラップが架けられ、船客の下船となります。
お疲れ様でした。

まもなく、竹芝桟橋着岸になります。お荷物、お手回り品等お忘れ物ございません様、今一度お確かめ下さい・・・・とアナウンスが流れている頃です。岸壁には、横向きのプロペラ、サイドスラスターが使われ、ゆっくりと寄っていきます。



甲板員がゴムレットで円を描き、ロープ(ホーサー)が.岸壁に投げられます。この儀式を見ると長かった船旅もそろそろおわりです。
まもなくレインボーブリッジを通過です。
速度の違う貨物船等とは国際VHF無線等を使い、お互いの動きを確認します。外国から来た貨物船等には、それを先導しているタグボート等と連絡を取り合います.
こんな大きな船をぴったり着けるひとはすごいです。
長旅お疲れ様でした。
前を行く船によってはダイヤに響きます。
天井には、舵角計、回転計、プロペラピッチ計等が配置されています。
”5度サー!”
船長(キャプテン)は双眼鏡でかなり先からの船の動向を見守っています.
一番右の機械はレーダー表示で、一等航海士(チーフ・オフィサー)が電子の目を見つめ、更なる警戒を怠りません。

船長は舵を切っていく方向と、切る角度を操舵手に指示していきます。船は右舷(右側)をスターボード、左舷(左側)をポートと呼びます.例えば”スターボード・イージー”という指示があると、操舵手は”スターボード・イージー・サー”と復唱し、舵を切っていきます。これは”舵を7度右に切れ”とゆう意味です。

また、船長は”5度!”や”350度”の様に進路を方位で指示するときもあります。そのときは、右の写真の様に併用している自動操舵装置のダイヤルで角度を設定します。

エンジン出力や、推力の方向、プロペラの角度なども船長が声で指示を出します。通常はブリッヂから電話する事により機関室が制御しますが、入出港時等は制御権がブリッヂに移り、機関員もブリッヂに立ちます。機関員が船長の”両舷、デッドスローアスタン!”等の指示を聞きスロットルレバーを操作します。これは”左右プロペラを微速後進”という意味になります。
ここがおがさわら丸の運転席、操舵室です。ブリッジとも言います。
天井に各種計器がならび、レーダー、操舵装置、エンジン制御パネルが配置されています。

今、船長が前に立ち、慎重に進路を定めています.舵は操舵手(クォーター・マスター)が握り、船長の指示を待っています.
入出港時や混雑した航路では、非常に緊張感のある空間になります。
船の運転席は車と違い一つの大きな部屋です。見通しが利くよう高い所にあり、船長を始めとする航海士はここで進路を決定します.
外洋ではオートパイロットで設定された進路に自動的に舵が切られます。東京湾や入出港時には自動操舵を切り船長が直接指示を出しますが、舵を取るハンドルを握っていません。ちゃんと別に操舵手が握っています。船長は一番前に立ち、双眼鏡片手に進路と、周りの船の挙動をみつめ、各ポジションに声とジェスチャで指示を出していき、船は進んでいきます。
小笠原まで25時間30分かかるこの航路では、当然夜も走り続けます。
船内の明かりが落とされても、この操舵室と、床下の機関室は眠ることなく当直員が進路、機器を見守っています。操舵室に椅子は存在しません。立ちっぱなしで当直を執っておられます。

おがさわら丸の船内見学ツアーは、航海中の警戒を強化する為、数年前に中止になりました。
操舵室