大型二種免許(平成16年取得、千葉幕張試験場)

牽引免許申請
6月の中旬の月曜日、12時間に及ぶけん引免許教習を終え、卒業証明書を持って免許センターへ。

本来の予定は昼前に新しい免許をもらったら、羽田から福岡の友達のところへ飛んで、その後に鳥取に帰省予定だった。しかし友達が急に出張に出てしまうことになり、わざわざ一人で中州の屋台に行く気にもならなかったので、超割の福岡行きをキャンセル、翌日に夜行バスでも使って鳥取に向かうことにした。


幕張にある免許センターの建物に入ると、老いも若きも混在して並ぶ免許更新の行列、一方ではこれから学科試験を受験する教習所を卒業したての若者の列も。

交付の為の手数料証紙は教習所で買ってあるので、提出して視力検査と写真を撮れば免許は交付される。講習等もない。9時前に書類を出して、出来上がりは11時に2階へ集合。今もっている免許と引き換えに新しい免許を交付される。

更新でなく新しい免許をもらう為に免許センターに来るのは久しぶりだな〜。数年前通った雰囲気と通ずるのか何だかそわそわしてしまう。

時間まで特にする事もない。免許センターといえば技能試験場だ。過去、大型免許の試験場受験は自分の中では思い出したくもない汚点と言えるが、悲喜こもごもの検定風景を覗くべくいそいそと技能待合室へ。

技能見学・・のはずが

少し離れた待合室には20人くらいがタバコを吸ったり椅子に座っていた。バス停のような試験車発着所からは助手席にアポロキャップを被った試験官と乗せた車両が出入りしていた。

大型二種免許はずっと憧れだ。カッコイイ!ガンバレ!そんな思いを巡らせていた。

突然、大型二種いけるかも、今なら。と頭の中をよぎった。
そうだ、そうだよ!教習所卒業したてで順法走行はおよそ問題ないはずだ・・・休日にも余裕がある。

心は揺れていた。
しかしすぐ、難関な技能試験に自分にはチョット無理だろうとも思った・・過去に大型一種の技能でイタイ目に有っているからである。
とりあえず、家に帰って、冷静になって考えよう。

隣に座っていたおじさんが、西村堂という免許センター前の問題集屋さんの二種用問題集を小脇に抱えていた。
へー、こういう奴もあるんだ。後で買おう。

大型二種の受験方法を受付に聞きに行く。わら半紙に印刷された案内を貰う。朝一にココに来て、申請用紙を書き印紙を貼って学科の受付に出すらしい。

けん引免許が出来る指定時間になり、2階の交付窓口に並ぶ。”け引”の新しい文字に思わず頬が緩むが、頭の中は既に大型二種のことで頭が一杯。





問題集を買う

二種への長い道のりへ進むと決めたわけではないが、とりあえず問題集を買うだけ、とりあえずと言い聞かせ西村堂で二種用問題集を求める。1900円也。家に帰ると早速開いて解き始めていた。なんだ、やる気なんじゃん。


問題の内容は、旅客自動車に関する法令と旅客運転手としての常識を問う問題が多く、普通免許を取る際に見た数字や言葉の違いによる引っ掛けは少ないように思えた。
更新時に配られる交通の教則本をたまに読んでいる為か、おおよその問題を解くことが出来た。間違いやすい問題パターンと旅客車向けの法令をしっかりと覚える。

不安な技能は・・

肝心なのは技能。今日びはネットでタダで情報、攻略法が手に入る。便利な時代だ。大型二種 幕張で検索すると個人の受験期サイトが沢山出てきた。なになに?技能試験は路上に出る、とは聞いていたが、鋭角、縦列か方向変換を場内でやってから出る・・・とは知らなかった。路上では中扉をあわせて3回の停車?2秒以上注視したら減点だと。へ〜。ムズカシソウ・・・
なにより個人サイトの皆が2、3回で合格している。自分がそんな回数で合格出来るとはとても思えず何故かプレッシャーがかかる。

とりあえず、技能の流れと攻略法を覚えて明日に備える。

学科試験1回目

バイクで昨日も来た来た免許センター。
朝8時半、まず受付で”大型二種の学科試験申請用紙”を下さいと声をかける。手渡された書類に住所、名前などを記入、印紙と写真を貼る。以前長野で受験した時の書類とは様式が異なっていた。やはり県によって違うのだろうか。
教習所新卒者の並ぶ列の横に、机も無く立つ若い試験官。そこが学科試験受付場所。申請用紙には裏面に病気、体質を書く欄もあって、記入を忘れていたので一度返される。
不備を直し改めて提出、今度はOK。申請用紙を返され2階の指定された試験室で待つように言われる。

2階の試験室の前には机が出されていて、再び試験官に書類を提出。仮免許、自動二輪など受験科目によって座る席が振り分けられる。
固定された机が並ぶ視聴覚室のような作りの試験室には既に20人位の人が座っており、中には自衛隊の緑色の制服をきた若い男女も数人。彼らはいきなり大型免許だから試験内容が違うのか・・・と勝手に解釈。

指定された机には鋭くとがった鉛筆と消しゴムが用意されていて、程なく壇上で試験官から注意事項の説明が始まる。
運転免許筆記試験なんて久しぶりだ。姿勢を正し、真面目に拝聴する。説明が終わると問題冊子とマークシート用紙が配られ名前、受験、問題番号を記入。
ここまでやって時間は九時半前、30分ぴったりで無く、少し前に試験開始。黒板に終了時刻が記される。

試験開始

問題を開く、鉛筆を握る手が若干汗ばむ。一呼吸おいて取りかかる。問題用紙に書き込みをしていきたいのだが記入は禁止されているので、シート用紙に段違いが無いようチェックを入れていく。

問題はアコギな引っかけも殆ど無く、以外と解きやすい、その中にも旅客車ならではの問題も取り混ぜられる。

何より西村堂の本で見たような文体ばかり、さすが地域に密着した対策集。落ち着いて最後まで解き進め、保留しておいた問題も何とか解答。マークをきれいに塗り、もう一度見直すと一問間違えている、やはり二種は確認が重要だ。
残り時間は10分。再び見直すのも疲れるので静かに終了を待つことに。合否発表は一時間後、同じ席で。
お暇が出来たら毎度の技能試験見学へ。待合室は相変わらず男だらけ、皆落ち着かない様子。

大きさの違う車が出入りし、白い紙を手に乗り込む人、その紙を持って車を降りる人。
ネットでは合格時は免許のみ返される様に書いてあったので、結果は推して知る。

学科合格発表
パックジュースを飲み干し、見学もそこそこに試験室へ戻る。再び試験官が壇上に立ち空気が張り詰める。いよいよ第一関門の筆記試験合否が発表される。試験官が合格者の番号を読み上げ、合格者は後に廊下に出されるようである。
難しい問題はなかったが、90点以上合格というのが気持ちの余裕をなくすが、とりあえず自分の番号も呼ばれ一安心。
廊下では合格者が車種別に集められ、輪になって午後からの乗車試験までの過程の説明を受けると一階に皆で下りて行き、貸車代の証紙を買わされる。
ここで私の財布には貸車代の2100円に満たない内容だったので試験官へ申告し、向かいのサンクスのATMに走る。全く、何故千円位持って無いのかワシは・・・

貸車代の2100円分の証紙を、朝提出した受験申請用紙に追加する様に貼る。合計6600円分の印紙が並ぶ。(あー高い。)
朝の申請順で割り振られた受験番号順に視力検査の機械に並ばされ、視力と深視力を計測する。
列に並んでいるうち、後ろに並んでいたAさんと話すようになった。お互い初めての受験で分からない事だらけなの
で分からない事を質問し合う。Aさんは運送会社に勤めている様で、試験が終わり次第仕事に行くらしい。大変だ。
視力検査の深視力はいつも緊張を強いられるが、何とか通過。心強いオトモダチも出来、昼からの技能試験へ加わる準備は出来た。

試験官に技能試験待合所に一時半集合と告げられ、解散。長い一日だ・・・

技能試験待合室

待合室に行くと男達がけだるそうにその時を待っていた。Aさんも外でタバコを吸っていた。一時半過ぎに試験官が現れ、車種、受験番号順に席替えをさせられる。
大まかに普通一種と仮免組、外免切り替えの外国人組、大型車等の大きな車と二種組に分けられ各々試験官が前に立ち、試験は正確な運転と法令の履行・・・から始まる試験の趣旨に中止事項の説明が始まった。

初めてなのでまじめに聞く。
走行コースの説明で、大型、牽引等はコース板を見るように指示される。
二種は、まず場内を指示通り、鋭角と後退をこなし点数が残っていれば一般道6kmの検定に臨めるらしい。
どおりでコース図が無いわけだ・・
一般道も試験官の口頭指示で走り、バス停に見立てた目標物へ中扉を合わせて停車、これが3回。出来るのかな・・・

後ろでは英語交じりの日本語で外国人に課題の説明をしている。カタコトの試験官が可笑しい。

普段大小のトラックに乗り、それなりに順法運転を心がけてる自分。一発合格とは行かないまでも、検定料を無駄にしない為せめて路上には出たい。考えれば考えるほど体が硬くなってしまう。

試験官達はバインダーを持ち我々の前を離れていき、暫くすると多様な試験車両が開始地点のホームに入ってきた。バスは左巻き込み防止の合図音をピキン、ピキンと鳴らしながら曲がってくる。



発着点に色々な試験車が並んだ。車から下りた試験官が各車の受験者を呼びに来る。受験予約者が先に受験、その後我々学科合格組が乗せてもらえる。
大型車、バスは受験者が多い為二台ずつ動いているが、予約組が受験二回目以降なので路上に出る率が高い為か中々帰ってこない。ただでさえ構内で後退課題があるので時間がかかるのにー。もどかしい。

予約組が段々と帰ってくる、皆白い紙を片手に持って。やはり合格率は低いらしい・・・

一時間ほどたってようやく学科組の受験が始まった。自分は3番目だがバスが2台あるので、2台目が帰ってきたら
2番目の人の立会いとしてバスの座席に座らなければならないので、順番が近づくとボーっとしている訳にはいかない。
自分のいっこ前の受験者は、頭ヒゲボサボサの太ったオタクっぽいヒト。立会いの為一緒に乗車するが、何だか普段風呂入ってないニオイが車内に広がってくる・・・この後私そこで運転なんですが。
オ氏は運転スペースに入ると仕切りのバーを掛け、確認作業を実施した後発車した。

外見とは裏腹にこのヒトは難なく場内課題をこなすようだ。参考にするため観察するが、あまり後ろからじろじろ見ると、お氏と目が合って緊張を強いてはいけないので控えめに見る事に。

鋭角と後退の場内課題が終わり、試験官の指示で一般道へつながる道へ、門の手前で一度停車するよう指示。オイオイ、オ氏の運転で一般道へ連れてかれるよ・・・不安と期待でドキドキしているが、試験の為の法規的公道走行なんて未知の世界だからしっかりと見る事にする。

バスは幕張のビジネス街を試験官の指示によって、右に左に曲がっていく。オ氏の合図のタイミングを見てると、自分より若干違いがあるし、当然なのだが乗り心地は決してよくは無い。乗っていた間の法定6kmは随分長い気がした。
停車3回もお氏はそれなりにこなされたようで、バスは発着点に帰ってきた。
オ氏は駐車措置を講じると、運転席を立ち、中扉を開け、周囲を確認し外に出た。
車内に残るのは自分だけ。試験官から、”ご苦労様でした、出て待っててください”と声がかかり、自分も下車。

前方では左窓から試験官がオ氏を呼び、免許証を返している。手ぶらである。ご、合格か!スゲー、カッコエー!