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大型免許(平成10年取得、長野県篠ノ井試験場)

大きなくるま

普通免許を取ってすぐ、先輩から最終的に大型二種を目指せと冗談で言われた、何でもギアが入りづらいバスを使って狭い試験場を走る、と聞いたと思う。そんな免許があるんだと感心すると同時に、最上級免許への憧れ感が芽生えたらしく、高速バスなんかに乗る機会があれば運転席をまじまじと観察していた。そのうちプチバスマニアとなり、バス会社で車掌の求人を見つけると、これだと思い長野へ飛んでしまった。

バス会社には巨大なバスが沢山あり、運転手さんは大型二種を普通に持っている。ここではなんら珍しいものではないのだ。運転手さんには様々な職歴とそれぞれの二種取得への道のりがあり、回送中などに話を聞いてとても楽しかった。また、車掌として横に乗っていて、安全運転とはどういうものか、本当の運転の上手さ、余裕というものも教えられ、現在に活きている。他にも大型のチェーンのかけ方、タイヤ組替え等大変勉強になった。

大きな車に乗ってみたい、できれば技術と信頼が伴う免許、二種を取ってみたいとの思いは前からあったのだが、この頃の自分は、年齢が若く運転暦も3年以下だった為、二種は受験できなかった。
とりあえず大型一種を受験する事に。この頃、夏は野菜農家でアルバイトしていたので、ご厚意によりそちらの住所を借り、長野県民になる事で試験を受験できる環境を整えた。しかしこれからが長かったのだ。

公認ではない教習所?
長野県の佐久市には、一定のカリキュラムをこなし、教習所の検定を通過すれば免許がもらえる公認教習所とは少し違う、県警試験官の出張による検定に合格することで免許を受けられる教習所がある。そこの方が費用も期間も短いため、農繁期が終わり、バイトの契約が終わりかけた頃、農家のご主人と交渉し、2~3週間の居候を認めてもらい教習を申し込んだ。しかし、予約が思うように取れず時間は経つばかり。狭いコースの中では感覚が掴めないうちに脱輪の連続。しかも白馬の冬仕事が忙しくなり、通ってる場合ではなくなってしまった為に教習所通いを断念。だが、いくら下手でも乗りかけた船、諦めずに通称一発試験、試験場に通うことにした。

試験場通いに転ずる

長野県の運転免許試験場は、長野市の中心部より少し南の篠ノ井にある。その頃私が住んでいた白馬村からは車で一時間。合格には秋口から春までの時間を要した為、凍結した峠道をぶんぶん走って通ったものだ。その数13回!恥ずかしい限りです。(書くのを躊躇しました・・)

自分が初めて受けた一発試験、緊張をほぐす為か他の受験者とも皆しゃべるしゃべる。皆との仲間意識が芽生え、和やかになるのだろうが、落ちた後とぼとぼ帰る帰路は何ともいえず悲しいものだ・・・

そういえば、受験料の中の貸車代1050円は証紙で収めず、毎回自動券売機で切符を買って試験官に手渡していた。当時は何も思わなかったが、千葉幕張試験場では全てコミコミで納めた。いまでもあの券売機はあるのだろうか・・・

仕事で大きな車に乗り、試験の場数を踏んだ今受験すれば、かなり早いうちに合格点を取れると思う。
しかし当時、車体感覚、内輪差など慣れるまで実に5回以上を要し、更にそこに適正な確認を要求されても、確固とした技術と自信が無い為に何度も不合格を食らった。試験官にブレーキを踏まれたことも有ったっけか・・・
今思えば、右目視しながら車線変更したり、左折直前の目視も怠り、クランクなどに入る前に一回止まりながらシフトダウン~進入していた。これじゃ合格は遠いはずだ。

合格の日
篠ノ井試験場で最後に受験した日の状況は殆ど覚えていないが、唯一覚えているのは、一時停止を経て外周に出る際、手前で周りを見渡すと外周を回ってこちらに来る普通車を確認したので、停止線でしばらく止まっていた。樹木で見通しが悪く、思ったより普通車がやって来ない、発進不能を取られても困るので少し進めた辺りで止まるとようやくやってきた。今のは試験官にどう取られたかな・・と思いながらも何とか完走。サイドを引いて駐車措置を講じ、試験官は無言のままのうち後方確認をして下車。

長野県の技能試験の合否発表は、車を降りてから皆が終わるまで待ってなければならない。待合室におもむろに来た試験官がハイ集まってください~と受験者を呼び、周りに丸く並んで、今日の合格者は・・・と始まる。長野県は難しいと聞いたこともある位合格者はそんな頻繁に出なかった様に思う。
そういえばワンポイントアドバイスも車中ではなく待合室で個々に行われたっけか。
後に受けることになる千葉県幕張試験場では、不合格の場合は車中で書類が返されて不合格者はすぐ帰れ、終了まで待たされるのは喜びの合格者だけという効率のよい仕組みだった。こっちのが手っ取り早くてよいわな。


ようやく全員試験終了、しばらくしてアポロキャップを被ったぶすっとした顔の試験官がこちらに歩いてくる。
今日の合格者は・・の声に下を向いて声を待つ、10回以上聞いてきて、いつも名前呼んでくれ!と祈るのだが、手ごたえがあったのは数回、いつまでたっても呼ばれない。既に落ち慣れしており、毎回半ば諦め状態であった中、8人中自分の名前だけ呼ばれた!とっさに顔を上げると思わず笑みがこぼれ、輪に背を向けガッツポーズしてしまう。回数が回数だけに喜びもひとしお。再度目の検査をし、手数料を支払い写真撮影の後、免許交付。燦然と輝く大型の文字!

いきなり大型車に乗車する予定もなかったが、馬鹿でかい大型車や、人を乗せなければ大型バス、2階建てバスも乗ってよし!ってのが大変うれしかったように思う。


あきらめないで
もし、これから受験される方は、落ちても落ちても決して諦めないでください!そのうち合格できる日が来ますから!