大型二輪免許(平成17年取得、千葉幕張試験場)


大型二種、牽引を取った今、日本の道路を走っている車で、自分が運転を唯一制限されているのが”大型二輪”。
大排気量バイクに乗ったり、200km/h以上のスピードが出る事等にゃ興味がなく、車検制度も免許区分にも納得がいかない為、まず取ることはないだろうとずっと思っていた。休みの日のバイク用品店には飾り物のようにぴかぴかのビッグバイクばかり乗り付けあったりすると、軽蔑感さえ覚えていた。だけど、”乗ってはいけない”と制限されている事がずっと引っかかっていた。

9月に牽引二種を取り、私はしばらく御満悦なご様子、季節は秋、秋は旅行の秋!
新島に行ったり、2週間ばかりバイクで北海道に遊びに出かけて、帰ってきたらもう行楽シーズンもおわり。
寒さに追われる様に北海道から帰って来て、仕事をしても果てしない台地のことばかり考えてしまい、イマイチ身が入らず、かといって寒い季節に更に旅する気になれず・・・

毎月行っていた試験場に行かなくなった寂しさと、合格時の何ともいえない喜びを求め、再び免許センターに通い、免許の空欄を埋めてみようかと考える。

薬師寺

先日、テレビでボクサーの薬師寺が”どんなに練習が苦しくても、判定試合になってレフェリーから腕を挙げられたときの瞬間が忘れられなくてまた試合に臨んでしまう・・・”と言っていた。これを聞いたとき、なんだか試験場通いに狂ってしまう心境と重なる気がしてしまった。

しかし、あの!大型二輪である。興味が薄いよりなどより、諸先輩の限定解除時代のハナシが頭に残っていて、大型二輪試験は超難しいというイメージがあった。最近では教習所で取れるようになっていたが、10万円弱出してまで免許を揃えようとは思わなかった。しかしあと残る免許が大特二種と大型二輪になったので、どうしてもうまくいかない様だったら、前述のような理由にオトシドコロを持っていき、諦めるつもりで、駄目モトで大型二輪を受験してみることにした。


事前審査
大特二種の受験手続きの際に、二輪試験棟に立ち寄り、試験の手順を尋ねるとプリントをくれる。何でもいきなりは受験はできないみたいで、簡単な審査を受けないと予約できないらしい。審査にはお金も予約は要らないようだが、一般試験と同じ朝8:30の集合。それだけの為に朝のはよから来なければならない。

審査に訪れた朝、希望者は自分を含め二人。どっかに勤めている気のいい兄ちゃん。試験官に導かれ、コースの裏の隅っこへ。試験官が車庫からバイクを出してきて、まず、8の字取り回しをする、そして一度倒して引き起こし。お、重い。自分は平均的な男の子だから無理ではないが、これは全員出来るものなのか?最後にセンタースタンド立て。自分のバイクはサイドスタンドしかないので、センターを掛けることなど殆ど無いが、バーとハンドルをしっかり持ち、スタンドを踏みつけ弾みをつけてきっちりと掛ける。

終了〜

とりあえず二人とも難なく終了。程なく窓口でわら半紙で出来た審査合格証を貰い、二人で技能の予約へ。一番早い予約日は約2週間後。兄ちゃんは一番早い日の午前に、自分はそこの午後に予約を入れる。午前は大特の試験を入れるためだ。大特の合い間に見に行ってやろ。再会と合格を誓って別れる。





1回目・・1コース

残る免許は、大型二輪と大特二種。

幕張では、二輪の試験は午前午後と実施されるのだが、大特は午前のみの為に午前大特二、構内の食堂で昼食を挟んで午後大自二受験という試験場好きにはたまらない日程を組む。

午前中の大特試験も一回目、簡単だろうと思っていたが、意外と難しかった。審査で一緒になった兄ちゃんも普通におっこちた様だ。気持ちを入れ替え二輪コースへ。

午前の試験は既に終わっており、コースには誰もいない。昼からの試験に備え二輪コースを歩く。




バイクは大きいが、250ccには毎日乗っているから、コースを回る位は何とかなるだろう。
確認、目視など普段から心がけている為首振りする事は慣れている。あとは、大型二輪はムズイと言われ、まことしやかに語られるよく分からない理屈を押し付けられたりするのだろうか?でも、会社の同僚は2回で通ってるし、大型二種の取得時講習の際、1回で通った人もいた。どうやら素直にやれば通るものなんだろうけど、近くに2回で合格した人間がいる分、何回も落ちるとかっこ悪い。

昼飯

走りながらコースを2回なぞる。コースを覚えるのも不安があったが何とか覚えたぞ。疲れたので昼にすることに。構内の食堂で昼を取り、昼からの試験受付まで待合室のベンチで横になる。トラック乗りは飯を食べると眠くなり体が昼寝を要求する。充電充電。

13:00になり、ニ輪の受付へ並ぶ。なにぶん二輪は初めてなのでまごつくが、試験官が列を作ってくれる。
ここで、ヘルメットとグローブの検査があるのを知らずに、待合室に置いて来てしまった。あわてて取りに行く。

受験者は6人で初めてなのは自分を含め二人。初めての人は予約順に関係なく乗車の順番が最後の方になる。

受験票と免許証を提出し、目の検査。深視力は無いので気は楽だ。難なく通過。ゼッケンを渡され、待合室で待つよう言われる。既にコースは見たが、気持ちが再び高まり落ち着かない。もう一度コースへ出てみる。皆うろうろしている。

バイクは既に発着点に出されていた。



9:00より待合室で口頭による試験説明。女性の試験官だ。何分初めての受験の為まじめに聞く事に。

説明が終わり、試験開始だ。一番目の受験者に慣らし運転をする様スピーカーより指示が出され、無言で出て行く。
普通二輪も時間差をつけて出発していく。
自分の番が来たらどう動くかと頭の中で考えておく。

時間が経つと共に一人、ふたりと帰ってくる。完走する人もいれば、途中で戻される人も。バイクから降りたらメットを脱いで、試験官の待つ試験棟に螺旋階段を昇って行く。大体の人は白い紙を持って降りてくる。不合格は察して知るべし。普通二輪では手ぶらで降りてくる人もいたが、大型二輪ではまだいない様だ。やはり難しい試験。

自分の前の人が、途中でお帰りになってしまったようで、コースをはずれ発着点に帰ってくる。次はいよいよ自分だ!前の人が降車したら、慣らし運転乗車の為に駆け寄る。




慣らし運転
試験と同じように左右確認し、スタンドを払い乗車。右足を着いてミラー確認。右確認し足を踏み替えギアを入れ足を戻す。周囲を確認し指示器を出し、発車!
ぉお、重い、しかもパワーがある。覚悟はしていたが、やはりナナハン。力差を見せ付けられるが、毎日250ccであるがバイクには乗ってるので、ふらついたりはしてないはず。
スラローム横を抜け、交差点を右折し一時停止→外周で発着点へ。何とかそれなりには乗れる。ヨシ、がんばろう。

先端をポールに合わせ停車。足を踏み替えてニュートラルにし、ウインカーを切る。周囲を確認し降車、サイドスタンドを掛ける。バイクの横に立ちスピーカーで試験官からの試験開始の指示を待つ。

試験開始
自分のゼッケンナンバーがスピーカーから呼ばれ、一礼し試験開始!
周囲を確認、スタンドを払い乗車。左右のミラーをさわり確認。右後方を確認後足を入れ替え、左足でシフトを入れる。足を戻してもう一度周囲を確認、右ウインカーを出して発車。

まずは出てすぐ障害物をかわしつつ外周を一周。発着点を越え右ウインカー、右折してすぐ信号を右折。一度キープレフト状態からセンターラインに寄せる様にして交差点の最も中心を曲がる。
交差点を越えたらすぐ左折の準備、その先にクランクが口を開けている。

クランク


クランクの入り口で1速に落とし、半クラで進入する。右折れはクリアしたのだが、左折れの時点でバランスを崩してしまい、左足を着いてしまう。気を取り直し左折でクランクを出る。直進して再び左折進入で今度はS字。

S字も1速半クラで進入。S字の中は問題なし、出口が左折したらすぐ交差点→右折なので、考える必要がある。
一度小さく出て、斜めに走って右折に対応。交差点と横断歩道を首を振って確認して通過し、左折で波状路に入る。

初体験、波状路

立ち姿勢でクリアすることは聞いていたが、速度はイマイチ分からない。遅いほうがよい様なので、オフ車の障害物越えのような遅い速度で進入し、立ち姿勢で半クラ、ゆっくりとよたよた進んでいく。遅いほうがよいということなので微速前進すると、アクセルを吹かし過ぎてしまう時もあった。ギャラリーには随分かっこ悪かったかもしれない。

それでも何とかクリアし波状路を左に出て一時停止に差し掛かった所でスピーカーから”発着点に戻ってください”と指示が!コレか。よく分からないうちに終るってのは・・・

しぶしぶ発着点に戻り、バイクを適正に停車させ、試験官の待つ2回へと上がっていく。
廊下を事務机で遮られた向こう側から女性の試験官が白紙を持ってやって来る。

不合格〜

”はい、お疲れ様でした。ゼッケンを取ってください。今日は途中までですね”と言われ、我に返りゼッケンを脱いで返す。初めての試験で、予想はしてたけど途中で帰されたのはやっぱり悔しかった。

悪い所を直すべく、どこが悪かったんですか?と尋ねると、”姿勢が悪いですね、つま先が開いてます、あと、クランクの出口が左折大回りでしたね。波状路も吹かし過ぎでした”とボロボロ指摘される。思ったより出来が悪かった様でショックだ。
”牽引二種をお持ちの位なので、確認はいいんですけども・・・”と最後に付いた。唯一救われた。

確認が問題ないなら、もう少しガンバれる気がする・・・ひとこと一言を真摯に受け止めて、受験票を受け取り、お礼を言ってから螺旋階段を降りる。下には受験者がたくさんいる。白い紙を持ってくるくる降りる。
よくある光景なのだろうけど、ハズカシ〜。。
落ちた以上、自分がそこにいるのがいたたまれなくなり、そそくさと予約窓口に次の技能試験予約を入れにいく。




2回目・・1コース

今日も来ました試験場。午前中は毎度のごとく大特を受験。健闘むなしく不合格〜。

前回の試験の際、予想もしなかった”姿勢が悪い”という御指摘に、普段から毎日のバイク運転を意識して乗るようにし、気をつけのイメージでつま先と太ももを閉め、グリップも指二本がけをしない様クセをつけてきた。

前回と同じく、昼ご飯をはさんで大型二を受験。朝のはよから出てきたのにもう昼だよ・・・
今日も1コース。いちいち覚え直さなくていいから楽だが、もう一度確認、確認を実施しながら歩く、というか走る。




既に一回受けているので、乗車順は予約の順番通りに3番目。
昔のことなので、他の受験者の状況まで覚えていないが、自分の前の人は途中で帰ってきてた。

慣らし

途中で帰って来られると、乗車の時間が早くなる。いそいそとメットを被り、グローブをはめる。
慣らし運転は、試験官の指示なしで実施していいので、前の人が降車したらすぐ乗車する。きちんと確認をこなし、発車。姿勢も気をつけのイメージで背筋を伸ばし走行。ちょっと肘が張っているかも。

試験車両のCB750は、エンジンの吹けもクラッチのつながりも癖が無く乗りやすい。もっともコレが初めて乗るナナハンなんだが。

バイクを発着点に返し、降車。脇に立ち指示を待つ。
スピーカーから受験番号が呼ばれ、”ただ今から試験開始します”という女性の試験官の声。昔は白バイとか乗っていたのだろうか。いつも思うのだが、開始前にはそんなことは考える余裕が無い。無論、緊張しているからだ。

試験開始

乗車し、お約束の確認をこなして発車!今日こそは手ごたえの有る走りをしたい。

まずは障害物をかわして外周、指定速度40km/hに合わせる。カーブの手前ではポンピングブレーキ、適度な車体の傾けでカーブを通過。
発着点を過ぎる頃、押し迫った一番初めの右折の為にウインカー、きちんと確認も寄せもこなし交差点通過。

クランク

ローギアに落とし、前回ミスったクランクに再び挑む。右折れは無事曲がったが、左折れでまたもやバランスを崩してしまい、左足を突いてしまう・・・・まただよ。。

S→波状路

クランクを出て、S字→交差点を右折し波状路へ。
前回より少し早めのスピードで進入、惰性で一つ目の山を越えたら、後も楽に越えることが出来るのが今分かった。
今回はスムーズに通過、ウインカーを出し波状路を出て交差点通過、左寄せでウインカーを出し一時停止、確認。

前回はここでスピーカーがしゃべった。今回は・・まだの様だ。ヨ、ヨシ!次に行っちゃうヨ・・

再び外周に出て、距離が短いので40km/hに満たない位にスピードを乗せる。既に未知のコースだ。間違えないように単純な直進時の今、頭の中を整理する。

カーブを超えたら、一本橋に入るためのウインカーを出すと同時に、見通しが悪い交差点周囲も一度確認。

一本橋



外周カーブが途中で切れた所から曲がると、一本橋が待っている。金属の橋の手前までバイクを進める。一本橋の前では一時停止、左右確認して橋に乗る事になっている。
この一本橋、何と乗り込み口のアスファルトが橋に導くような格好でワダチが出来ている。ふらつきを誘う気か!

普通二輪を取るときには一本橋は全く抵抗を感じなかったのだが、今、大型二輪でここに乗ってきて、一本橋を目の前にすると不安になり、乗る前から怖じ気付いてしまった・・・
びびって試験を下りる訳にもいかない。深く息を吸い込んでクラッチを繋ぐ。

試験開始前に何度も橋の上を歩いて、10秒の感覚を確認したにも係わらず前輪が橋に乗った所で”あ、ムリこれ!”と直感的に感じた。がんばってみたもの実際2〜3秒でバランスを失い、枠から前輪が外れてしまう。

橋から落ちたらその時点で検定中止。

検定中止

スピーカーから”スラロームを通って、発着点に戻ってください”と指示が出る。

よし、スラロームの練習だ!アクセルワークが大事といわれるスラローム。綺麗な姿勢が出来ているかは分からないが、バイクの傾きを起こす為に意識してアクセルを開ける。そんなに難しくない。

発着点に戻り、2階へとぼとぼと上がる。

前回と同じく女性の試験官に”一本橋落ちてしまったので終了です。”と告げられる。またクランク出口の左折大回りも指摘される。ああ、またやってしまったか・・・

白い紙(受験票)を持って階段を下りる。誰も嘲笑なんかしていない筈なのだが恥ずかしい・・・

次来れるのは年が明けてから。来年1月上旬、例によって大特二種と併せた予約を入れる。
自分はイキナリ合格できるようなセンスを持ち合わせない凡人だった様だ。

やっぱり、練習しなきゃ駄目か・・・

練習か・・・
大型二種を初めて受験した日と同じ事を思った。回数を重ねれば合格に近づくだろうが、落ち癖がついてしまう。
それより、多少出費してでも短い回数で気持ちよく合格したい。教習所に行くことを考えたらそれでも安いのだから。

よし、練習所へ行こう!大型二種でお世話になった茨城県のトミンドライビングスクールへ。
家に帰って、ネットでトミンのサイトを開いて二輪教習のバナーをクリックする。2時限料金、6時間パック教習料金が記されており、ページを下げていくとバイクの写真が出てきた。おっ、試験場と同じ形のCB750だ。以前も見たこと有ったはずなのだが、興味が無かった為特に覚えていなかった。こりゃ決定だ。早速電話で申し込む。

正月明けなので営業開始日が危惧されたが、試験の前前日に教習を入れることが出来た。よしっ!
仕事のシフトもそのスケジュールに合わせる様に組む。正月は仕事に出る事に。


年が開け、トミンへ

教習前日、夕方に急遽仕事が入った。正月の物流停滞から来るトラブルだ。
ホントは定時で仕事が終わったら、バイクで茨城まで走り、近くの健康ランドに泊まろうと思っていたのだが、楽しいプランはぶっ飛んでしまった。
総武線や京葉線の駅を配送に回って会社に帰ってきたのは結局24時位。これから家に帰って寝て翌朝茨城まで走るのは渋滞も疲れも出る。このまま当初の予定通り土浦まで走ることに。

健康ランドへ

船取線から水戸街道をひた走る。1月の深夜。凍る気温ではないが寒い寒い。結構とばしてぶっ続けで一時間半走って、街道沿いのすき屋にへたり込む。手がかじかんで箸が持てない・・・

深夜の健康ランドは静かだった、ゆっくり風呂に入り暖まる。もう2時をまわっている。翌朝は時間の余裕があったのでチェックアウトで係員に起されるまで寝ていた。

健康ランドを出て、朝食を取り、以前も通った田んぼ道をひた走るとトミンのコースが見えてきた。
ログハウスの事務所に入り、手続きを行う。
今回は、前回に二種教習をしてくれた方とは違う方に教わることになる様だ。

トミン教習
試験場とほとんど同じ形のバイクが車庫から出され乗車。そうそう、コイツに苦労させられてるんだよ。

2時間だけの教習。教官は初めは立って自分の走行をじっと見ている。

まずは、白線で書かれた8の字を回らされる。続いてパイロンで作られたS字やクランクを2速のみで何度も回る。
教官はこれで私の悪いところを見抜いた様で、広い所に移動、再び大きな八の字を描いて連続して走るように指示される。
自分の曲がりたい先を見るように、とゲキが飛ぶ。首をひねってアクセルも慎重に開けていくが、気を抜くと変な運転になり教官から注意される。テレビでたまにある”白バイ訓練鬼教官”みたいな映像が頭の中をよぎり、自分も教官の指示に対し大きな声で返事をする。しかし、半時計方向に回るとき、どうもすんなり回らない、何故だ?

ここで、自分が今まで気付かなかった運転のクセを指摘される。教官曰く”オフ車乗り”。アクセルを大きく開く為に
右のグリップを奥から握っていた為、右ひじが上がっているのだ。
これが教官による教習ってやつか・・・!と目からウロコ。
右のグリップを手前の位置から軽く添えるように意識して持つと、なるほど左右のひじの位置が同じになり、すんなりと曲がってくれる様になった。

グリップを持ち替え、再び首を大きくねじって曲がる先を見ながら大きな八の字を描く。教官から”いい感じだよ、そうそう!”と大きな声がかかる、自分の今の姿勢まで分からないが褒められると嬉しい。

次は大きなコースの端っこに誘導され、バイクは教官が乗り換える。教官はコースの一角を左手を離し、右手のみで四角く綺麗に回っていく。バイクを交代、今度は自分が左手を離しコースの一部を乗ってみる。ギアは2速のみ。

ハンドルを曲げるだけでは曲がっていかず、ひざが開いたり体が傾いたりしてしまう。自然と自分のクセが出てしまっていて、教官に注意され、右手の位置に気を配る。

今度は、曲がるだけでなく直線での加速も求められる。ハンドルを右手だけ持っている状態で加速すると頭が後ろに引っ張られてしまい、かっこ悪い姿勢になる。
そうならない為に教官は、アクセルを開けるときに上体をかがませる!と指導。
かがむ→加速→減速→曲がるを繰り返す。連続して行ううちに右回りも左回りも綺麗に回れるようになってきた。

休憩を挟んで、課題の練習に。
まずはスラローム、最初はパイロンを通過する度に手で触りながら走行、これでイメージを掴む。次からは時間を計りながら走行、パイロンを通過したあたりでアクセル!と指導が入る。

波状路は前回の試験で通過して、何とかなるだろうと思ってたので難なく通過。

問題の一本橋、まっすぐ前を、遠くを見るようにとアドバイスを受け、恐る恐るチャレンジ。やはり慣れないウチは途中で落ちてしまう。何度か乗るうちにようやく渡り切る事が出来てきたのだが、いかんせんタイムが準じない。大体が9秒位で渡ってしまう。
教習の時間が2時間しか申し込んでいない為、出来るまで待ってはくれない。一本橋の感覚を掴んだら、最後は苦手なクランクを繰り返し練習、試験場では1速で回っていたのだが、2速で行ったほうが扱いやすく回れることを教えてもらいスムーズなコース取りができる様になってきた。
苦手なクランクを何度も練習し教習終了。

たった二時間だったけど、自分のクセも分かったし、大型バイクにも随分慣れた気がする。試験場での乗りこなしにも臆することは無い。

教官に丁重にお礼をいい、茨城をあとにする。


3回目・・2コース



年が明けて一週間も経つとスーパーでは七草がゆセットが売られ、正月気分もここいらで打ち止め。

今日も来た来た試験場。午前中の大特二種は年明け早々また落ちてしまった。気を取り直して二輪試験!一昨日練習したばかりなので、今日は自信もって乗るぞ!大型二輪だけでももらって帰れればいいな。

午後からの二輪試験棟に行くと、午前中、牽引二種を受験、合格してた人がメットを持ってうろうろしてる。

まさか自分と同じようにダブル受験している人がいるとは・・・

午前の試験は既に終わっており、午後になるまで誰もいない様コースを歩く。今日は初めての2コース。周回して一番はじめの課題が一本橋。橋から落下したらコースを僅か走っただけで終わる。気合を入れて望まねば。




そこそこ歩いて、飽きてきた頃に昼飯を食べに行く。センター内にある食堂のおばちゃんは割りと愛想がよいので嬉しい。日替わり定食600円也。
一般の免許書き換え者には馴染みが薄いが、二輪試験棟には立ち食いウドンやもひっそりと有る。

13時になり、ヘルメットとグローブを持って受験を申請する。今日は3番目だ。開始までの30分弱、もう一度コースを歩く。この頃になると殆どの受験生が歩いて確認している。

13時半、試験官による”正確な運転と法令の履行・・・から始まる試験、採点、中止事項の説明。
何度も聞いたけど、キチンと聞いて素直に気持ちよく受験!
外ではバイクがガレージから出され、セルが回りエンジンが温められ始めた。


自分は3番目なので、2人を先に送ることになる。先の受験者を待つ時の気持ちは複雑だ。今日の自分の走り方を考えながら、先の人がいつ帰ってくるかを見守る。自分が乗る時間が繰り上がって早くなるからそれにあわせた心の準備をしなければならないから。たいていは途中で帰ってくる。

はやる気持ちが抑えきれず、ともすれば前の人がコケる事すら期待してしまうこともある。

トップバッターの帰りが遅い

どうやら完走コースらしく、最後の課題、急制動の為の加速にエンジンが少し唸る。
発着点に帰って来たバイクは、エンジンが掛かったまま2番目に引き継がれた。

らせん階段を下りてきたその手には紙切れは無い・・・合格かいっ!オメデトウ。



CB750は慣らし運転をおえ、2人目の試験に入っていた。午前中の牽引二種の兄さん、コレもまた途中で帰ってこない。結構じれったいものだ。
ようやく急制動に入る頃、次の自分の番に備え、メットとグローブを着用。
2番目の人ももそつなく完走され、望楼へ向かうのと入れ違いに慣らし運転に入る。

一昨日乗ったから、おっかなびっくり感が払拭された。あとは、課題と安全確認が試験官の目にどう映るかだ。

発着点に戻り、一度バイクを降りる。呼吸を整え、開始を待つ。

スピーカーから”慣らしは終わりましたか?”と問われたので、手を大きく上げてマルを作る。

”それでは試験開始します”

スピーカーからの合図に一礼し、周囲を確認、セオリーどおり乗車し、後方確認、足を踏み替えギアを入れる。
もう一度左側を確認。ここには歩行者などいないのだが、実際交差点などでは信号に関係なく自転車や歩行者が自分の前に飛び込んでくることは間々ある。大事な確認だと思う。

コースを見渡し、試験が同時進行している普通二輪車の動きを一度確認し発車。

外周を一周し、望楼の前を通過、発着点を通過した辺りで最初の右折へ向けてウインカーを出し、目視→センターラインに寄せて右折しながら、すぐの交差点の信号を確認する。黄色の微妙なタイミングで入るのはイヤだ。信号はどうやら赤で停車だ。減速しながらシフトを戻し、右足を着く。右後方を目視して足を入れ替え、念のためギアを確認する。

信号が青になったら、右、左そして左後方を確認して発車。発車したらシフトアップ、そしてすぐ左ウインカー、次の角まで距離はほんの僅かだが、交差点を出たら左後方を目視→左に寄せて一時停止。左右を確認後、左後方も確認して発車、再び外周へ。

いっぽんばし!

反時計回りに1/4周して、1コースと同じようにカーブの途中の切れ目から第一の課題、一本橋。ここで再びこけたら
殆ど走れないままお帰りだ。切れ目から内側に入ったらすぐに左右確認、一本橋の手前で一時停止。ギアは停車の前にダウンしてあるが、落ち着く為に足を踏み替え、これ以上踏込めないシフトに足を乗せてみる。
ウインカーも、きちんと戻したなっ・・・
深呼吸して、左右確認。しゃッ!とメットの中で叫び、クラッチを繋ぐ。前輪が鉄の坂に差し掛かる。ここで前回はうろたえて失敗したので、しっかり前方を見据え、ニーグリップを更に強める。
軽くふらつくが、復帰、今回は何とかなりそうだ、声を出して1から数え始め10を数えた頃に前輪が終端に差し掛かる。ガチャンと後輪が一本橋のスイッチを踏み、一本橋を無事通過・・・

ふーっ、と思ったのもつかの間、目の前にはスラロームが待ち構えている。
次の課題、スラロームに向かう為センターラインのある車道で左右の確認をし横断、突入

スラローム

トミンで練習したように、右手のアクセルを握る角度に気をつけ、パイロンに手を突く感覚で、なるべく最短コースをアクセルワークで抜ける。接触なし!よしッ、いいぞ!次は・・左だ。ウインカーを出し、右左、左後方を確認。

出てすぐにウインカーを切る。優先道路の交差点に。ここでも左右確認し入ったら再び左ウインカー。左に寄せて一時停止し再び左右確認に加え左後方目視。

再び外周へ。50メーターにも満たない直線で加速しつつ左折確認を行いS字へ入る。S字は比較的簡単だが、S字を描く事より前後の確認、合図の始末が問われる。入ってすぐにウインカーを切り、出口すぐの信号の変化を気にしつつ左出の為にウインカーと確認、S字の出口と交差点の停止線の間は車一台分も無い。信号は赤だ。左折大回りにならない様小回りを意識してキープレフトで停車 。合図を忘れず消す!

信号は青、すぐにクランク入り口が待ち構えている為、交差点に入ると同時に左ウインカー、目視して左に寄せる。

3度目の正直クランク

クランクは、過去二回も左曲げで足を着いてしまっている。今回はトミンで教えられた様に2速で進入、半クラでまず右曲がり、そして問題の左曲がりは・・・バランスも崩れずクリアッ!おっしゃ〜と思うと同時に次のアクション。

クランクを左で出るためにウインカーを点け右左、左後方目視。本当はいちいち止まってきちんと確認したいのだが、不要停止とみなされてはたまらないので、安全が確認できたら小回りを意識しズルズルと外周に出る。

一度ウインカーを切り、再び点灯、確認後左折、曲がり終えたら直ぐにウインカーを切り、信号突入。
信号に入ったら波状路に入るための左ウインカーを点灯、左後方を目視し、波状路の前でアライグマの如くバイクのステップにすっくと立つ。

波状路


一度しくじったが、前回は成功させているので、苦手意識は無い。ガツンと一つ目を乗り越え、ぐいんぐいんと細かく刻まれた鉄のヤマを越える。渡り終えたらまたすぐ左に出る為、ウインカーを出しながら、右の後方から来る車を目視して警戒し、左右確認そして左後方目視。

信号の無い交差点に入ったら一度切ったウインカーをもう一度左へ、目視して左に寄せて一時停止。外周を左右確認して、安全が確認できたらここでも左後方目視し外周に出る。

次は外周を反時計回りに1/4程走ったところで左へ入る。外周は3速までシフトアップし加速、カーブに差し掛かる前から左ウインカーを出しポンピングブレーキ、寄せてギアを2速に落とす。

見通しの悪い・・・

左折すると”見通しの悪い交差点”、じりじりと前に出ながら左右確認。安全が確認されたらミラーを見て右ウインカー点灯。目視して右寄せをする。
交差点を確認し中央のダイヤをなぞる様右折、横断歩道を確認し一旦キープレフト、そして再度確認後再び右に寄せる。一時停止し、左右確認。

初坂道・・・

右折で外周、2速で障害物をもう一度越えて、カーブの途中から外側に飛び出す形で未体験ゾーンの坂道へ。坂の途中で一旦停止、ギアは既に1速に入れていたが、落ち着く為に足を踏み替え確認し、周囲を確認。クラッチをじわりと繋ぎながらブレーキを離す。初めての坂道発進は、穏やかにナナハンの車体が坂を登り始めた。

ローギアのままエンジンブレーキを効かせながら坂道を下る。下りながらコース全体を見回し、安全を確認。コース内では一台の普通二輪しか動いていないが、動きは押えておくべきだろう。

そして初急制動!

右ウインカーで外周と合流し、すぐに左ウインカーで外周から離れる。最終難関にして未体験の急制動。
ローギアからすぐに2速へ、なるべく加速し3速に入れたところでメーターは40キロを越えていた。
45キロでアクセルオフ、針が少し下がって43キロくらいになった時、前輪はパイロンと並ぶ光電管に差し掛り、ここでフルブレーキング!止まる寸前でクラッチオフ。
後輪だけでなく前輪も強めに掛けたので、フロントのサスが結構沈んだが、余裕で規定の白線より前に止まることが出来た。ブレーキ音もなしで左足を着く。

右後方を確認し、足を踏み替えギアを1速に。周囲を確認し発進。発進時に右ウインカーが必要説があるみたいだが、出さなかったけどな・・


踏み切りをこえて発着点
カーブを曲がると、最後の課題、踏み切り。一旦停止し、左右確認。軌道内はギアを変えない様にスムーズに通過しながら右ウインカー、確認し外周に合流。すぐに左ウインカーで発着点へ入る。望楼の下はブラインドだし最後の左折だから慎重に入る。
大型二輪車の発着点に止め、左足を着く。ローギアに戻し、作業忘れが無いか一度考えバイクから下りる。エンジンはそのままでサイドスタンドを掛け、ハンドルを左に切る。ハンドルから手を離し、一歩下がって指示を待つ。

停車、降車
スピーカーから”上に上がって来て下さい”と声がかかる。ヘルメットを外しながら、らせん階段をくるくる登る。バイクは次の受験者が慣らし運転を始めていた。


合否通知、アドバイス?
二階は10メートルほどの廊下が望楼に続いていて、試験官室の入り口はスチール机で塞いであり、机越しに会話し書類の受け渡しが行われる。

机の向こうの試験官から”ゼッケン外して下さい”と指摘される。合否に気を取られ、ゼッケンをまず返すのを忘れていた。

ゼッケンを返しながら、心の中では、”合格”のオコトバ来い!こいっ!と念じていた。今日は完走して、走りも合図も確認も全部やったと思うぞ。今日はどうだった?警察官であり試験官様!

でもコレでも落ちるのが大型二輪なんだろうけど・・・でもっ、合格させてくれくれっ!




































”はい、下で待ってていいよ”

こ、これは・・・


脳の中で、過去の判例やネットで見聞きした事のある、合格告知の亜種であることと瞬時で判断された。

合格と言わない試験官様の奥ゆかしさと慮りか。お言葉キタ━━━(゚∀゚)━━━!

試験官様に、全てを察した上での無言で90度の礼!


頬が緩みながら、らせん階段をくるくる下りる。返却書類も無いので持っているのはメットだけだ。紙を持っていないオレをみんな見てくれッ!

待合室

待合室には、午前牽引二種に合格し、自分のひとつ前に大型二輪を受験したニイやんがいた。
手ぶらを察してくれて、オメデトウと言ってくれた、というより、ここに残っているという事は、彼もゴウカクか!

しばらく話をすると、何でも自衛隊の自動車教官らしい。教官なら手前のコース使い放題じゃん〜。どちらも一発合格だと。。しかも来週、ビッグバイク納車と来たもんだ〜。ようわからんがとにかく凄いな・・・

外は、おおよそ試験が終わったようで、試験車が試験管の手によって片付けられていく。しかし、いやに残っている人が多い。合格者か?

試験終了!!
書類を片手に試験官が合格者の我々を迎えに来た。6人受験して合格者の数何と4人。随分と合格率の高いメンバーだったようだ。

試験官に引率されて、二輪試験棟の印紙売り場に向かう。我々の他には誰もいない。立ち食いうどんも閉まっている。
印紙売り裁き所に並ぶと、窓口のおばちゃんが一人一人に”はい、おめでとうございます!”と丁寧にお祝いの言葉を添えてくれながら、印紙を売り捌いてくれる。なんか嬉しいぞ。

合格じるしをくれた試験官は、我々に申請用紙に印紙を貼るよう無愛想に指示。我々は試験官の機嫌を損ねないようにおとなしく素直に従い、一人づつ印紙を水スポンジに浸し慎重に貼っていく。

印紙を貼り終えたら、試験官は我々を二輪棟から免許センター本館へ誘導する。

免許書き換え者が並ぶ視力検査の機械の横をぞろぞろ素通りし、写真撮影機の向かいに有る事務所に書類を提出した試験官は、我々に呼ばれるまで待つように指示すると業務に戻っていった。

やがて、一人一人に試験前に提出した申請免許が手渡される。試験結果欄には合格の文字が手書きされ、青い大きなハンで”合格”が!



下には、新免許引き換え券となる用紙の一部がミシン目で切り離され、そこには現在の所持免許の一覧がタイプされていた。何故か赤いハンで”特任席”と押してある・・・?
何だろう?もう一度試験するんじゃないだろうな・・・・自衛官とボソッと話す。

動揺を抑えつつ写真機の係に書類を渡し、ハイチーズ!

自分の後に自衛官さんが撮影機に座ったら、機械がエラーを出した。冗談か単純な操作ミスかと思ったが、係が隣の機械に座りなおすよう指示。午前中もこの機械に座った為に二重受付となりエラーが出たようだ。


今までは撮影が終わると、新しい免許を授かる為に二階の交付室の前で小一時間待ち、名前を呼ばれたらガラスごしに切符を買うように古い免許証と引き換えに手渡された為、階段の方に歩いていこうとすると、”二輪車合格の方はここで待っていてください”と指示される。
写真機と壁一枚隔てた廊下の長いす。斜向かいでは、安協が勧誘活動をしている。

ここでもまた少し待たされる為、特任席のキップを握り締めながら自衛隊さんと話す。
二種の学科試験の際に、同室にいた若い自衛官たちの事が気になったので質問すると、やはり学科試験を受けに来ているとの事、彼らをバスで連れて来たりもするそう。
それと、自衛隊の教習車って、ブレーキとハンドルが助手席にも付いていて、しかもいきなり大型であることを知っていたので、教える側の声を聞いてみたかった。

教官は、やっぱりコワイものですよ。胃が痛くなります・・・

あれこれ話しているうち、免許が出来上がったらしい、”二輪車受験された方〜”と呼ばれ、我々はいすに座ったまま一人一人新しい免許証を受け取った。



また一つ、欄が埋まった・・嬉!!
排気量の制限も取っ払われたのが更に嬉しい。

本屋に行って改めて気が付いた。アフリカツインやバラデロにも乗れるのか!

バラデロ(逆車)欲しいなー!