試験場通いもこれで最後、大特二種！
一種は既に持っているので日常では特に困ったことも無く、フォークリフトの免許をとるときに優遇された位で他にいいこともなかったが、運転免許をすべて制覇した人のサイトを覗くうち、もう受験の勢いが止まらなくなっていた。
ここまできたら最後までという勢いで受験申請書を書き、予約の窓口で技能予約。
しかし、この予約係りの女性の方は、どんどん上級の変な免許を予約する人をどう思っているのだろうか？わしの名字は変わっているから、書き込みの際かすかにでも記憶にあるはず。。ま、事務仕事なんだからなんとも思っちゃいないかもしれんけど・・・
１回目・・１コース
大型二輪の章で書いた様に午前午後試験場漬けの日程を組んで挑む。
変なシフトレバーや乗りにくい中折れ式の大特車ではあるが、乗ったことはあるし、以前一種免許を取った際に言われた事を思い出して乗れば、すぐ合格でしょ。おりしも誕生日の前日、記念に一発合格か！と余裕をかまし、朝のはよから幕張に向かう。
手続き
受験手続にいつもの様に男ばかりの受験者の列に並ぶ。試験官が種目ごとに列を形成させ、予約番号順に受け付け印紙が貼り付けられた用紙をもぎっていく。
がちゃがちゃと判を押されると受験票を返され視力検査に。
通常の検査に加え、二種の為深視力検査も伴う。これがイヤダ。目は割といい方なのだが、深視力は苦手だ。３回の計測の誤差が平均して２センチ以下ならＯＫ。見にくいながらも何とか合格。出来あがった受験票には３回目の誤差が３センチも・・この先の更新は大丈夫かよ〜
試験官による試験説明の前はコースに入れるので、歩いてイメージトレーニング！
技能試験開始
待合室での試験説明も終わり、車庫から試験管の運転する試験車両がぞろぞろ出てくる。でっかいタイヤの黄色い奴もエンジンをうならせ発着所に入ってきた。
タラップをよじ登り、久しぶりに乗り込む大特車。
鉄板を組み合わせただけのドアを、腰をかがめた状態で閉めるとガチャンといかにも機械って音がした。
受験票と免許証を渡し着席。硬い座りごごちだ。試験官が、 ”操作法は分かりますか？”と聞かれる。
以前教習所で同じような奴に乗ったので、およそ触れば分かるだろうが、念の為一応教えてもらう。
鉄パイプの様に太い棒が二本コラム左側生えているのが前後レバーと３速ＡＴ切り替えレバー。
運転席右脇にバケットの操作レバーがある。一度エンジンを掛けるように指示され、バケットの動きを教わる。手前に引くとアームが上がり、横に倒すとバケットが傾く。
”一度エンジンを切り準備が出来たらエンジンを掛けてください”セオリー通り周囲の確認をし、パネルにあるキーをひねる。ごうごうとエンジンが唸り、振動と音がすごい。なんだかわくわくしてくるぜ。
周囲の安全を確認、走行する為にバケットを上げ、シフトレバーを２速に込めサイドブレーキを解除、再び確認して発車。凄い音だ、ハンドルをゆっくり回し本線へ、ぐしぐしと音を立てて真中から車体が折れて曲がって行く。
本線へ入って最初のカーブを越えたら、直ぐに車線変更を経て右折し方向変換に挑む、何しろ全体の距離が短い。
ふらつく
カーブ前からウインカーを出しカーブを出て車線変更に望むが、ハンドル操作が慌しい為、センターラインに寄せる時いまいち綺麗に走れない。俗に言う”ふらつき”、あ〜やっぱりやってしまったのね・・・試験官のペンが動いている気がする。
続いて方向変換。難しくはないのだが、まっすぐに戻すときにまた車体が微妙にゆれる・・方向変換を出て、左、２メートルほどの直線を経て左。短いながらも確認はしたつもりだが、ウインカーをきちんと戻したかイマイチ確証がない。
直線を１００メートルほど走った先で一時停止の後右折。交差する道路は二車線。右折後再び一時停止、左折。右折してから次の一時停止までの距離が短いので、はみ出さない様第一通行帯の中に車体を真っ直ぐにして止めたいが為にオーバーハング気味に曲がるのだが、ハンドルを戻す時に再びふらついてしまう。
一時停止後の左折も車体が曲がっていたせいで大回りになってしまう。何とかＳ字状の踏み切りに持っていくが、左右確認後、列車の音を聞く為に窓を開けたいのであったが、天井近くにあるスライド窓には手が届かず、まあいいやと踏み切りに進入。。出たところでお帰りの声がかかる・・・
発着点に帰って、アドバイス。やはりふらつきと踏み切りについてご指導頂く。やっぱり１発合格は甘かったかと
次回の予約をして気を取り直し、午後からの大自二試験の為に二輪コースへ。
二輪の試験は既に終わりそうな模様、誰もいなくなったら初めての試験の為にコースを歩いて下見。飽きたところで食堂で飯、誰もいない二輪試験待合室で昼寝。眠い眠い〜
２回目・・２コース
ネットの掲示板を見て、踏み切りの音は”ドアを開けて聞く事”を思い出して２回目の受験に臨む。
前回の試験から１０日、手続きを終えたら早速コースへ歩いて出てみる。今日のコースは２コース。発着点→方向変換は変わらないのだが、第一コーナーを抜けて進路変更→右折までの距離は１コースよりも距離がある。
しかし右折してからも再び短い距離で車線変更→方向変換の為に確認のタイミングをイメージする。
自分の試験の順番は３番目、１番目に乗ったお兄ちゃんが免許証のみを受け取るのが遠目に見え、手ぶらで戻ってくる。彼は合格であろう、ほほが緩んでいたので拍手で迎えてあげる。何でも彼は自動車保険の切り替えで早めにゴールド免許が欲しかった為だけに受験していたらしい。彼はコースの全部を３速で走りきって合格していた。そりゃ楽でいいわと真似をする事に。
エンジンを掛け、バケットを揚げ、発車！今日は初めから３速で走行だ。やはり出だしも加速も良い。しかし、車線変更辺りが更にせわしなくなってしまった。方向変換に入る手前の右折→右折でハンドルを切りすぎる様なコースどりをしてしまい戻すときに情けなくふらついてしまう。
方向変換を終えてコースに戻る際、右側が樹木で殆ど見えない為に、バケットの先端を出しながらじりじりと進みながら様子を見る。しかし、曲がるべき所を直進で進めすぎたので、また不自然に大きく切らなければならなくなってしまう。
あ〜イマイチうまく行かないな・・と思いながらもコースを進める。次は外周、指定速度２０ｋｍを出さなければならない。以前の教習車が最高速度２０ｋｍだった為、３速に入りっぱなしなのをいいことに、ここぞと言わんばかりアクセルをべた踏みして走る。そこで速度計を見て走らなかったのがいけなかった、試験官にメーターを見る様に言われると何と２５ｋｍ/ｈを上回っていた・・・以上終了！
既に１２月に入っており、休みも少なく忙しいので、今年の受験は終了〜。
３回目・・２コース
今日も試験場漬けのいちんち。午後からはまた大自二を受験する。今日は一つでも受かればいいや。
大特の難儀なところは、�‘汎辰淵好謄▲螢鵐梓恭弌↓▲Εぅ鵐�ーが自動で戻らない。この二つ。
なんだか手応えなく２回も落ちてしまい、合格までの回数が読めなくなってきてしまった。やめようかとも思ったが、継続は力なり。普段トラックを運転してる時も、左手のみでハンドルを戻したり、出したウインカーを右手で戻して大特車の練習に励む。
前回と同じ２コース。外周から方向変換までが厄介である。
手続きを済ませ、いつもの様にコースへ走る。車線変更のタイミング、目視、ウインカーを戻す動作も口に出して２コースをなぞる。そろそろ受かりたいところだ。
自分の一つ前のオジさんも二種で受験。しかし、白紙（受験票）持って降車。また来ますわとお帰りになった。
前回の３速のみ使用の作戦を止め、２速を使い直線だけ３速を使うことに。
周囲を確認後、発車！だいぶこのハンドル感にも慣れて来た。カーブを抜けて車線変更→右折→再び車線変更→右折で方向変換へ。今回はウインカーを自分の手で戻す所まで気が回るが、方向変換を終えて出る際に少しふらついたか？まあいいや。
飛び出し車
外周に抜けて直線、ハンドルを右手へ持ち替えてから左側にあるシフトレバーを手前に引きアクセルをぐっと踏む。今回は２０ｋｍ/ｈをキープ出来る様メーターを注視。
発着点前を通過し、そろそろ踏み切りに向かう為に左ウインカーを点けて直進していると、左側から”見通しの悪い交差点”を通過してきた普通車が勢い良く出てきた為、外周上でやや急停車。
生垣があったのでお互い見えにくかったのであろうが、もう少しゆっくり出てきて欲しかった。
優先は自分なのだが、自車はその先にある踏み切りに入る為左ウインカーを出しており、誤認されて大特のバケットで相手をすくいあげてはたまらない。ましてや仮免か外免の車である。相手が判断できている確証は無い。
事故るよりは先に行ってくれと譲りたかったが、試験場内では優先判断を見られるので恐々と進行。少し判断が遅かったか。
踏切を超え、信号のある交差点→”見通しの悪い交差点”を経て再び外周→障害物をかわして発着点へ。
完走
情けないが、３回目で初完走である。サイドブレーキを引きバケットを下ろす。エンジンを止め、緊張しながらシートベルトをはずす瞬間。
試験官、頼むから何もしゃべるな！このまま降車できたら合格だ！頼む！
アドバイス〜
”はい、お疲れ様でした。今日は完走までですね”・・・はい、ありがとうございました。
方向変換前後にふらつきが有ったのと、直進状態で無意識に右手をひざに下ろしていたらしい。しもた〜・・・右手はハンドルに添えていてくださいねとご指導頂く。
今日も駄目だったか・・・でも、あと少しの感じがする。
昼からは大自二の試験だ。気を取りなおして二輪コースへ。
大型二輪は練習所で練習した後なので、前回とは違った走りが出来るはずだ。
誰もいない二輪コースを目視を伴い走る。
４回目・・１コース
前回の試験日、午後受けた大二輪が合格した為、大特を残すのみになってしまった。
朝、免許センターに着いたら、受付の時間までに待合室に一度行き、貼り出してある今日のコースを確認。今日は1コース、発着点前の一時停止の所がややこしいが後は比較的楽だ。
試験の口頭説明が終わり、８：３０。いつもの様に大型車、ついでバスが勢いよく発着点に進入してくる。
今回またトップバッター。発着点に試験官が運転する車両が入ってくれば駆け寄って、即乗車を心がけないと試験官が声を荒げて呼びにきてしまう。
二種、仮免普通車も入ってくる。進入路を注視。遅れてあの黄色いのろまな奴が姿を現した。いつもの様に手袋をして受験票を掴む。
乗車
タラップに足を掛け、ヒトに優しくないデザインをした扉から乗り込む。試験官に朝のご挨拶をし、着座。無骨な席に無愛想な官。どうやらこの方は大二合格時試験官・・。
シートは毎度のごとく一番後ろにセット、ミラーを確認。周囲を確認、エンジン始動。バケットを上げ、今日も発進！相変わらず乗り心地がワルイ・・
第一カーブに入る頃に右ウインカー、車線変更後右折、方向変換、終了後は左→左。短いながらも確認、ウインカーもきちんと一度切ってからまた入れる。ここから直進、見通しの悪い交差点を通過し３速に変速、元気よく走行後、片側2車線の道にあたった所で２速にダウン、右折。ここが勝負ドコロ。過去のふらついた経験を元にハンドルを切り込み、戻しのタイミングも決まり綺麗に枠内に収まる。一時停止後左折、アクセルを踏み込みながら前回飛び出しのあった所で確認を伴い速度を緩める。右手もきちんとハンドルに沿わせておく。
再び状況判断を迫られる
S字状の踏み切りに入り、ドアを開けて音を聞く。踏切ををまたぎ、ここでもウインカーをこまめに切り替える。外周にでて再び３速。２０ｋｍ/ｈをキープ、外周から信号のある交差点に入るため左折、目の前には大型車が信号待ちをしている。自分がこのまま進めば、わき道へ入るコースを塞いでしまう為ウインカーを出すのを先送り、シフトも２速に落とし距離を置いて停車。
信号が青になったのでウインカーを出し、信号の交差点を左折、ここも一時停止まで一直線なので３速にシフトアップ、元気よく走りきる。一時停止→外周→障害物もきちんと確認してかわす。
操作の難儀なハンドルを駆使し、発着点に進入。バケットの先端をポールに合わせて停車。
駐車措置を講じる
サイドブレーキを引き、前方確認後バケットを下ろす。ウインカーも戻し、シフトもニュートラルに。全てを確認後エンジンを切り、シートベルトを外す・・・・ここからが勝負！試験官も黙ったままである。頼む、何も言わないでくれ！頭の中はパチンコの激アツリーチがかかりっぱなしの様な状態。当たれー！
斜め後方をガラス越しに確認後、ドアを少し開け再び後方を指差し確認。体の向きを変え、お尻から車を降りる。ドアをキチンと閉め、後方を回り車両の左側へ。試験官が窓を開けて待っている。
オコトバを頂く
”君は仕事は何だ？”と聞かれ、以前にも聞かれたことが有るなと思いつつ”運送屋です”と答える。”プロならもう少し寄せないと駄目だな〜”と左下を指される。見れば歩道から３０センチ位離れている。道幅からみると左寄せ停車なのだが、もっと寄せて止める必要があるらしい。キャビンからダイレクトに見えないので、おおよそのところで止めたのだが、”難しいものですね”と答えると、”それが車体感覚だよ”って言われた。
恐らく合格
しかし、ここの位置で会話している事自体、既に結果が見えてる為、半分は上の空。
”じゃ、待合室で待っててください”と免許証を返される。ゴウカクですなんてこれっぽちも言ってくれない。でも、いいのだ。
書類を持たず待合室に帰るときの気持ちのエエ事！自分の後の受験者も、オメデトウ！上手かったよって言ってくれた。
試験開始から１０分ほどで、自分のやるべきことは終ってしまった。後は、全ての試験が終わるのを待つだけだ。こうして待っていると、技能試験の添乗を求められる事もある。今回は仮免→本免試験のお手伝い。後部座席に座らされ、幕張の街を走る。惜しくもこの人は受からなかった様だが。
待合室の人も少なくなり、合格者は試験官に呼ばれ写真撮影に向かう。一週間前にもここに来た。手渡された書類には合格印が押してあったのだが、自分の身なりを調整するのに気をとられ撮影を忘れてしまった。
およそ一時間後、二階の交付室で新しい免許証が渡される。
これでおおよそ”アガリ”である。ここまで取れたのは嬉しかったが、もう試験場に来ることも無いと思うと少し寂しい思いがした。
今日も試験場は車が忙しく出入りし、待合室では受験者の泣き笑いの声が響いている事だろう。
